【なぜ2】なぜお風呂で指がシワシワになるのか

◆ 子どもの"なぜ"

■ 指がしわしわに・・・ふやけてる?

最近、お風呂で遊ぶ時間が増えた息子

30分くらい入ってるんで お風呂から上がると、指がしわっしわに。

息子5歳
息子5歳

おじいちゃんみたい!なんでしわしわになるの?

「それは水にふやけたからだよ。」

と何の疑いもなく答えていましたが、ふっと疑問が浮かびました。

・・・なんで指だけ?

水に接触している時間が指だけ長いから?いや、そんな変わるか?

なんで指以外はしわしわならないの?

・・・ということで、今回は、お風呂で指がシワシワになる“ほんとうの理由”を求めて科学的知見を探してみました。

■ 結論!実は自律神経の反応!

今回はいきなり結論からいきます。

お風呂に長時間浸かると指がしわしわになる理由は、

ふやけたからではなく、自律神経によって引き起こされる身体の反応なんだそうです。

よくわかんないですよね。ある研究を解説します。

2003年、Wilder-SmithとChowは以下のような実験を行いました。

健常な人と手の神経を損傷している人それぞれ、指を水に浸けてもらってその反応を観察すると、

  • 健常な人では指にシワができる。
  • 一方、手の神経を損傷している人では、指にシワができなかった。

これにより、シワは皮膚の自然な“ふやけ”ではなく、神経の働きによって起こる現象であることが判明しました。

✅ 参考文献:
Wilder-Smith, E. P. V., & Chow, A. (2003).
Water immersion wrinkling is due to vasoconstriction. Muscle & Nerve, 27(3), 307–311.
https://doi.org/10.1002/mus.10328

しわができる理由は、指先の交感神経(自律神経の一部)が働くと、血管が収縮します。
すると、皮膚の下のボリュームが小さくなり、皮膚が余ってたるむことで、細かいシワが現れるのです。

■ ではなぜ、指だけしわができるのか

2011年、Changiziらは「なぜそんな反応が起こるのか?」という疑問に対して、1つの説を提唱しました。

「シワは濡れたものをつかみやすくする“グリップ機能”である」

まるでタイヤの溝のように、水を逃して摩擦を高め、物が滑らないようにする役割を担っているのではないか、ということです。

✅ 参考文献:
Changizi, M. A., Weber, R., Kotecha, R., & Palazzo, J. (2011).
Are wet-induced wrinkled fingers primate rain treads? Brain, Behavior and Evolution, 77(4), 286–290.
https://doi.org/10.1159/000328763

確かに、手と足の指先だけがしわしわになりますよね。

濡れた状態でもしっかりものを掴めるように、または滑らないように、ということなんでしょう。

■ まとめ

お風呂で手足の指がしわしわになるのは自律神経の働きだということが明らかにされました。

恐らく、水でぬれてもグリップ性を高めるための機能だと考えられているということです。

■ 5歳の息子へ

息子にはこう伝えます。

「おふろで手がすべらないように、からだが“すべりどめのシワ”をつくってるんだよ。」

■ 余談

実は2003年のWilder-SmithとChowらの研究で自律神経との関係が明らかになるまでは、

「皮膚がふやけたからしわになる」という説が常識だったということです。

私はこれを調べる今日まで、皮膚がふやけるが常識でした。。

この”なぜ”に出会えたおかげで自分の常識をアップデートできたことに感謝。

おしまい

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